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2026年4月29日、韓国・ソウルにて、「アルファ碁から10年:偉大なる同行」と題した記念イベントが開催されました。会場では、囲碁界とAIの歴史的転換点から10年を振り返るとともに、今後の展望について議論が行われました。
イベントでは、世界ランキング1位の申真諝九段と、“アルファ碁の父”として知られる デミス・ハサビス CEOによる記念対局も実施されました。対局はハサビスCEOの黒番でスタートし、象徴的な一局となりました。
2016年、AlphaGo の登場は囲碁界に大きな衝撃を与えました。長い歴史の中で築かれてきた価値観を覆し、人間を凌駕するAIの存在が明確となったことで、囲碁の世界は一変しました。
あれから10年が経過し、AIと人間の関係は対立から共存へと変化しつつあります。本イベントは、その歩みを象徴する場となりました。
記念対局は約10分間のイベント形式で行われ、対局後にはインタビューも実施されました。
申真諝九段は「非常に光栄な時間でした。AIらしい棋風を感じ、少し気を抜くとプロの対局のように感じました」と振り返りました。一方のハサビスCEOも「対局できて光栄でした。恐ろしいほどの力を感じ、アルファ碁の助けが必要だと思いました」と語りました。
インタビューでは、2016年の AlphaGo対李世ドル戦 における 李世ドル 九段の“神の一手”(第78手)についても言及されました。
申真諝九段は「当時は世界大会中でライブでは見られなかったのが残念でしたが、あれは間違いなく妙手でした。結果的には成立しない手ではあったものの、AIを揺るがす唯一の一手だったと思います」と評価。そのうえで、「現在でもAIを揺るがす妙手は存在すると考えています」と語り、人間の創造性の可能性を示しました。
同日午前には「Google for Korea 2026」も同会場で開催され、ハサビスCEOと 李世ドル 九段が登壇しました。
李世ドル九段は「アルファ碁は自身の人生の新たな出発点となった」と振り返りつつ、「囲碁における人間の創造的領域は大きく減少した。人間は思考の主導権をAIに奪われないよう注意すべきだ」と指摘しました。
一方、ハサビスCEOは「AIは人類に新たな日常と科学の黄金時代をもたらす」と述べ、今後の10年に向けたビジョンを示しました。
囲碁とAIが切り開いてきた10年、そしてこれからの10年。その関係は、さらに深く進化していくことになりそうです。